「くすりや」の「現場」

薬屋が見た、聞いた、考えた、さまざまなことを書いていくブログ。「ブログに書いてある情報は一般的なものです。ご自身に合ったものにするにも、受診している医療機関のスタッフ、かかりつけの薬局の薬剤師に相談しましょう。」正論でぶっ叩かない医療者に!

2021-01-01から1年間の記事一覧

定量的な怖がり方の例

「定量的に怖がる」ことの大切さを理解するのに、COVID-19に対するリスク対策で説明できるのではないかと考えました。 後遺症についてある程度まとめられた論文を探してみました。 www.carenet.com こちらの研究対象者は「COVID-19で国立国際医療研究センタ…

薬剤師フィールドリサーチ(67)「あのページ薬局がテレビ番組が取材!」

今回は薬局新聞2021年4月28日発行号連載「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 昨年、当連載のスペシャル企画で取材したページ薬局(大阪府豊中市)がテレビで取材されました! しかも、関西では知らない人はいない日常の定番番組「よーいドン!…

科学と共感の相性はかくも悪く

しばし政治が科学的なものから外れて、がっかりする医療従事者や科学の専門を修めた人の嘆きが散見されます。これは仕方がないと感じた体験を紹介します。 以下のつぶやき。 結局ワクチン推奨するかしないかって、個人個人のコロナリスクとワクチンリスクの…

薬剤師フィールドリサーチ(66)「新人薬剤師と実務実習生の業務範囲」

今回は薬局新聞2021/4/14日発行号「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を紹介します。 この春新人薬剤師が配属になった薬局の方、早く新人に活躍してほしいという気持ちになっていると思います。しかし、薬剤師名簿に登録されるまでは「薬剤師ではない(薬剤…

新入職員へ:電話対応はまずはこれだけ覚えておこう

このサイトをご覧の方には新入社員の方もいると思います。 今回は、皆さんに勧める「ビジネスマナー本にはおそらく載っていない電話対応の基本」をお伝えします。 1.最初に「おはようございます」「お電話ありがとうございます」「はい」という これは、丁寧…

薬剤師フィールドリサーチ(65)「日本薬剤師会による調査研究に参加した」

今回は2021/3/31発行の薬局新聞掲載「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 3月16日の「薬局における患者の薬物療法の把握及び検査値を用いた薬剤師業務に関する研究」に勤務先の薬局でも参加しました。 当薬局での運営方法 調査票をA4用紙1枚に…

薬を見て、対象となりそうな患者を想像する 

経口GLP-1作動薬「リベルサス」が承認されました。一部からは画期的な薬と言われていますが、個人的には「使いづらい」という認識です。用法がこちら↓本剤の吸収は胃の内容物により低下することから、本剤は、1日のうちの最初の食事又は飲水の前に、空腹の状…

薬剤師フィールドリサーチ(63)「ミヤBM一瞬だけの12錠シート」

今回は、2021/3/10発行の薬局新聞連載「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 昨年末、ミヤBM錠のアルミPTPシート包装が発売されました。職場では、PTPシートで発売されて喜ぶ声以上に「なぜ12錠シートなのか?」という疑問の声が上がりました。 …

医学的正しさだけでは生きていけない

認知症の早期発見には意味がないという言説もあるが、 それぞれの個人にとっては意味があると考えます。 1.認知症の型がわかる。 正常圧水頭症のように、治療法が確立しているものもあるので、その判別を行うことができます。このタイプの認知症の場合は、早…

薬剤師フィールドリサーチ(62)「SARS-CoV2ワクチン接種で薬剤師が貢献できること」

今回は薬局新聞2021/2/24発行号の「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 ついにSARS-CoV2ワクチンの接種が始まりました。一度に多くの人が接種するワクチンです。会場での準備に普段は予防接種の現場に参加しない薬剤師も参加することになりそう…

マイナンバーカードによる顔認証付きオンライン資格確認システム導入について

www.mhlw.go.jp これ、マイナンバーカードを用いて、本人確認を行い、この人が現在加入している健康保険がなにか照合するサービスです。 転職したり、企業が合併するなどすると加入する保険者が変わります。すぐには新しい保険証(カード)に切り替わらない…

薬剤師フィールドリサーチ(61)「メルカゾール錠2.5mgの発売に寄せて」

今回は薬局新聞2021/2/17発行号の「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 多くの薬剤師が待望していた、メルカゾール錠2.5mgがついに発売されます!(2月18日) ・割線がない糖衣錠なだったで割る際にコツが必要、しかしそのコツを使ってもうま…

2020年は医師に対する評価が大きく分かれた年

2020年は医師に対する評価が大きく分かれた年だという印象があります。 評価が高かったのが、急性期診療や救急診療、在宅医療に関わっている医師。特に、よくわかっていない感染症に対し果敢に立ち向かい、知見を得て、他の医師が治療を行えるように道筋を示…

薬剤師フィールドリサーチ(60)「違和感を感じ取る力」

今回は2021/2/3発行号の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 先日、帰宅途中に路上で高齢の女性に声をかけられました。 「買い物に行ったが、自宅の方向がわからなくなってしまった。今歩いている方向でよいか?自分で歩いて帰ります…

SARS-CoV2ワクチン接種に対する不安な気持ちを持つのは恥ずべきことではなく、むしろ自然な感情。そこから何をするかが大事。

こんばんは。 SARS-CoV2ワクチンに関して、一般の人が「よくわからないものを体に接種するのは怖い」と思うのは自然なことです。これを口にすることまで禁止するのは言論統制になってしまいます。科学的に正しいのであれば人の心っを踏みにじっていいわけで…

薬剤師フィールドリサーチ(59)「医療従事者の会話は高度?」

今回は薬局新聞2021/1/27発行号掲載の「薬剤師フィールドリサーチ」掲載の記事です。 個人に起こった話をします。 先日、家族(成人)が体調を崩してフラフラになってしまい受診することになりました。通院の付添だけでなく診察にもついてきてほしいとのこと…

超ざっくり言ってmRNAワクチンとは

2021/1/27追記あり COVID-19ワクチンに関して、非常にざっくり言えば 「今までは毒をなくしたウイルスを接種して、人間の体の免疫反応を信じて、ウイルスと戦う抗体を作らせた」のを 「遺伝情報を書いたタンパク質の集まりの部分だけを体の細胞の中に入るよ…

薬剤師フィールドリサーチ新春スペシャル「奇跡の薬剤師」世界最高齢の現役薬剤師・比留間榮子さんの背中に学ぶ

今回は「やくざいし 薬局の薬剤師として保健・衛生に寄与するだけでなく、地域住民の宿り木という役割を75年にも渡って果たし続けているヒルマ薬局小豆沢店(東京都板橋区)の 比留間榮子さん、御年97歳。東京の下町で終戦直後の時代から変わりゆく街の姿と…