「くすりや」の「現場」

薬屋が見た、聞いた、考えた、さまざまなことを書いていくブログ。「ブログに書いてある情報は一般的なものです。ご自身に合ったものにするにも、受診している医療機関のスタッフ、かかりつけの薬局の薬剤師に相談しましょう。」正論でぶっ叩かない医療者に!

2023-01-01から1年間の記事一覧

WHOによるコロナワクチンの優先度

www.who.int www.cnn.co.jp この提言を読んで、「小児にCOVID-19ワクチンは不要」と考える向きがあるようですが、そういう意味ではないことを解説します。 基本方針:高齢者や基礎疾患を持つ人など、感染したら重症化しやすい人達を守る 小児の場合:他のワ…

COVID-19の5類移行、つまりはこういうことですわ

5/8よりCOVID-19が感染症法の扱いが5類になります。 www.mhlw.go.jp その根拠 未知の感染症とはいえなくなるから。 病気の大体の治験が揃って、治療法もざっくりとできてきたから。 5類になる→1-4類ではないため 感染症の範囲及び類型について(厚生労働省)…

薬剤師フィールドリサーチ(113)「現行制度にほんの少し工夫を」

今回は薬局新聞2023/4/26発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 働きながら病気の治療をしている人は本当に多いと思います。現在の保険医療制度にほんの少し工夫を行えば、働く人に優しく安全な医療になるのではないでしょうか。 …

平均寿命が著明に短くなるのは

COVID-19の流行時期を境に、平均寿命が大きく短くなった国があります。 (日本は横ばい) これは、死亡する人における若い人(ことに小児)の割合が高いことを示します。 ちなみに2022年の死者数は1,582,033人 うちCOVID-19による死者数は約39,000人 死者数…

薬剤師フィールドリサーチ(112)「コロナ5類でどうなる」

今回は薬局新聞2023/4/12発行号薬剤師フィールドリサーチの記事を掲載します。 とうとう、CONVD-19が5類になるわけですが、色々気になることがあります。 1. ドラッグストアではマスクを付けるのか医療機関、医療提供施設である薬局は感染リスクの高い人が来…

SARS-CoV2ワクチン定期接種化を検討

SARS-CoV2ワクチン定期接種化を検討 2023年 5-8月 高齢者・基礎疾患を持つ人・医療・介護従事者 1回目 9-12月 全員 5-8月接種者の2回目 2024年以降 年1-2回の定期接種 基礎免疫は2022年までに接種しておこう(小児以外)というメッセージだったようです。も…

薬局資本による大きな薬局

薬局資本による大きな薬局を作るほうが良いのではないかと思うことがあります。今、大手の薬局のいくつかは商社資本ですし、経済界の方も多少は儲かることでしょう。もしくは、物販ですでに利益のあるドラッグストアが医薬品を一手に扱うことで、 医療の倫理…

薬剤師フィールドリサーチ(111)「医薬品の零売制度に関する疑問」

今回は薬局新聞2023/3/22発行号の「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 医薬品零売についての議論がなされています。 安全に使用する 乱用しない セルフメディケーションという観点で考えたいと思います。 医薬品零売をする場面として 1.現在飲…

地味だが大事な薬剤師の仕事シリーズ(1)「薬のピッキング」

地味だが大事な薬剤師の仕事を解説するシリーズを不定期で行います。 今回は「薬のピッキング」です。 処方箋には以下のように記載があります。 【般】カンデサルタンシレキセチル8mg 1錠 1日1回朝食後 28日分 この場合の判断するステップ 患者さんの併用…

薬剤師フィールドリサーチ(110)「”キラキラ薬剤師”の皆さんに望むこと」

今回はあ薬局新聞2023/3/8発行号掲載の「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 学会発表や論文、各種著作物の執筆や先進的な取り組みで薬剤師向けメディアに登場するいわゆる「キラキラ薬剤師」。彼らの先進的な取り組みばかりが取り上げられます…

学会の場で感じた寂しさ

とある学術大会に参加して、薬局薬剤師が研究する難しさを感じた話をお伝えします。 ある研究発表で、若手のホープとされる人が発表していました。発表するためのデータを取っているときの所属薬局と、発表する時点での所属薬局が異なっています。おそらく、…

薬剤師フィールドリサーチ(109)「マスクは日常生活に馴染んだ?」

今回は2023/2/22発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 ドラッグストアの店頭に並ぶマスク、年々バリエーションが豊かになってきているような印象を受けます。そして、通行人のつけているマスクも多様化してきています。昨年、一…

医療契約

最近、医師の命が狙われる事件が目立っています。 ここで、気になるつぶやきがありましたので紹介します。 医師は比較的高収入で雇用も安定しているという点では強者だが、診察は原則断れないこと、モンスター患者や家族に最終責任者として対応しなければい…

薬剤師フィールドリサーチ(108)「事務職員の争奪戦が始まる?」

今回は2023年2月8日発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 最近、多くのお店でアルバイトやパートの募集をかけています。この時給が年々上昇しているように感じます。最低時給が上がっているからなのはもちろんですが、それ以上に…

薬剤師フィールドリサーチ(107)「ドラッグストアでの薬剤師常駐緩和?!」

今回は2023年1月25日発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 先日、オンラインでのカウンセリングをもって薬剤師常駐条件の緩和をするというs税付の方針が報道されました。 この報道に対し、いろいろな見方がされています。 ドラッ…

長生きするリスク

長生きするのもリスクと感じられる時代になってきました。 現在、健康寿命が73-74歳。70歳時点での平均余命を考慮すると男性16年、女性20年なので健康寿命経過後も10年以上は軽く生きながらえます。 kenkochoju.pref.miyazaki.lg.jp 健康寿命の定義 健康上の…

薬剤師フィールドリサーチ(106)「対面指導にはまだまだ可能性がある」

今回は2022/12/21掲載の「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 Amazon薬局上陸で既存の薬局はどうなるか、という話題がSNS上で盛り上がった翌日、勤務先の薬局では対面指導の必要性を感じさせる患者さんがたくさん来られました。 怪我をしたばか…

保険診療ですぐさま治療にかかわらない薬を出すことに何があかんのか

業務で。本編の治療と関係のない処方を見ることがあります。 ・SARS-COV2のmRNAワクチン接種時の副反応対策としての解熱鎮痛剤処方 ・ついでのビタミン剤処方(皮膚科の場合はグレーゾーンという認識です。皮膚の疾患がもとでメンタルを病んでしまい、精神…

薬剤師フィールドリサーチ(105)「一包化調剤の外部委託について(施設調剤編その2)」

今回は2022/12/21発行薬局新聞掲載「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 施設の薬に関し、現場のスタッフ(施設側と薬局側)と運営・経営者側では何を優先するのか違っています。 施設のスタッフは、入居者の各種状況(急変、転倒な不穏などの…

医療情報をネットで公開する際に必要な配慮をすべて示したほむほむ先生

今回は、SNSで医療情報について伝えるときに必要な要素についてお伝えします。 何がすごいって、ほむほむ先生の「SNSを見る人全方位に向けた配慮」ですよ。 togetter.com SNSのやりとりを見る人は誰か やり取りをしている当事者同士だけでなく、そのやり取り…