「くすりや」の「現場」

薬屋が見た、聞いた、考えた、さまざまなことを書いていくブログ

PGF2α誘導体製剤の紹介とまぶたへの色素沈着の機序

今回の記事の始まりはTwitterで「プロスタグランジンF2α誘導体について調べる」といったことから始まっています。 ★そもそもプロスタグランジンとは 非常にざっくり説明すると 体中のいろいろなところで、様々な作用を示す物質。 当たり前すぎますね。 プロ…

自己犠牲の上に成り立つ医療は、もう終わりにしなければならないけど、他人の自己犠牲を「美しい!」とうっとり望む人もいる。

www.huffingtonpost.jp 医師、特に勤務医の長時間労働について問題になっています。 当直明けの医師が手術をするなど、患者が生命の危険にさらされる恐れがあります。 その場の患者さんは、自分の健康が守られて「嬉しい」で済むのですが、もし、自分が睡眠…

学会(学術集会)の流れ

「学会に行きました」という報告が時折あります。 多くの人が参加したことがないと思われる学会。いったいどんなことをしているのでしょうか? 1.シンポジウム 有名な人や実績を上げた人がそれぞれの取組から、同業の人に対し現状報告や未来への提言を行うも…

最後まで口から物を食べよう

人生の最後に必要なのは、食べられることではないかと思う。 80歳を超えると、薬で延命できる期間が限られてくる、と数々の文献が示す。体の機能が落ちてきて、何かしらの不調で亡くなるリスクが高くなる。薬物治療による有害事象の方が効果よりも大きくなる…

人工知能が診断する時代になったら

1.患者の所見、検査データ、服薬情報(実際は処方データであり、飲んだかどうかの情報蓄積をどうするのかが課題)を基に予測される病態をAIが準備する(各種論文や症例報告などのデータを基に) 2.その情報を基に、当日の患者の様子をみて、医師がAIの出した…

書評「65歳からは検診・薬をやめるに限る! 高血圧・糖尿病・がんはこわくない」

www.sakurasha.com 2週間に1回しか更新しませんと言っておきながら、臨時の記事は書くのでよろしくお願いします。 本日は、名郷直樹先生の「65歳からは検診・薬をやめるに限る!高血圧・糖尿病・がんはこわくない」を紹介します。 タイトルを見ただけで「反医…

連続テレビ小説「べっぴんさん」で描かれる「丁寧さ」への回帰(薬局・薬剤師編)

こちらは「べっぴんさん」で登場する「キアリス」が創業の地・神戸・元町にある元町駅交番です。 先日終わった朝の連続テレビ小説「べっぴんさん」。この作品では「地道に、焦らず、子供たちにとって最適なものをつくる」ことにこだわったことがメインとなり…

お知らせ

当ブログ「くすりや」の「現場」を1年なんとか毎週更新できてホッとしています。 今まで、何度もブログを作っては更新できなかった自分としてはよくやったという気分です。最初1年はまめに更新して読者を増やそうという思いでやってきました。予約投稿機能は…

お得・簡単・基本に忠実。主婦パート薬剤師におすすめの「薬局で使える 実践薬学」

各所で評判の通称「鈍器」(A4版448ページ:「ポリファーマシー解決!虎の巻」の倍のページ数)こと 「薬局で使える 実践薬学」を紹介します。 床を掃除していないという指摘は受け付けません。 厚さ約3cm重さ約1kgでダンベルにも撲殺用にも使えます(汗…

技術にお金を払う

先日、我が家のガス機器が故障した。 日曜日の深夜ということで、これどうしたことかとガス会社に電話したところ、当日中の修理となった。その時点で、出張料と技術料が休日料金で3割増になりますがよろしいですかというお伺いがあった。もちろん、そんな誰…

入学しても卒業できるとは限らない

写真と本文はほんとうに一切関係ありません。 文部科学省が出した、薬学部入学者の修学状況についての資料です。 http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2016/09/28/1361519_1.pdf これには、平成22年度から24年度…

副作用の情報を提供するのは非常に難しい

www.sankei.com 患者側は副作用の情報を提供してほしいという声が多い(53%)一方、実際に提供されたのは31%と少数とのこと。インターネットによる男女2000名アンケートによる(日本製薬工業協会) 「副作用を説明したら患者さんが薬を飲まなくなるからや…

医療系ブログの信頼性を上げるには

医療系キュレーションサイトのおかげで、ネットで提供される医療情報に悪い印象を持たれがちです。 真摯に正しい情報を提供しようとする人たちの苦労が水の泡です。 ブログやSNSなどで医療情報を提供しようとすると、「そんなことをしている暇があれば、一人…

信頼性のある医療サイト+専門家の意見で個別の事案に対処する

医療系のキュレーションサイトに掲載された「真偽の定かでない情報」「著作権を無断で侵害している情報」が問題になりました。 人の「病気を直したい」「健康になりたい」「安心したい」という自然な欲求につけこんだ商売は決して許せるものではありません。…

地域を望まない人達もいる

地域に根ざすことを望まれる薬局であるが、そもそも国民が地域に根ざした暮らしをしたいかどうか? 今の企業形態の薬局もいいことはある。スタッフが仕事でしかつながりがないことだ。どういう企業であっても、人がふたり以上いれば揉め事が起こりうる。企業…

なぜ論文を読むのか

最近、そこかしこで「論文を読みましょう」と言われる。 論文が読めるようになったら薬剤師として一歩前に進める、とか 論文ぐらい読めないと薬剤師としてやっていけない、という意見をSNSで見る。 その物言いは違うんじゃないか? 論文を読むのは良いことだ…

夜尿症の治療は気長に

先日、夜尿症の治療薬「ミニリンメルトOD」のメーカー(協和発酵キリン)説明会を聞きました。そこで聞いた話から、夜尿症の治療と生活への配慮についてお伝えします。 夜尿症診療ガイドライン2016によると、夜尿症の定義は 5歳以上で1ヶ月に1回以上の夜尿が…

薬剤鑑査システム使用体験(BLACK)

鑑別するっちゃするんですけれども。 先日、薬剤鑑査システムの使用体験をしてきました。 包装のまま調剤された医薬品を処方箋通りか確認し、記録を残してくれる機械。 小型で、PCデスクの面積があれば十分作業できるシロモノです。 月のリース費用と電気代…

時短勤務中のママさん薬剤師だけの店舗

www.yakuju.co.jp www.sustainablebrands.jp http://www.yakuju.co.jp/news/wp-content/uploads/2016/10/%E8%96%AC%E6%A8%B9-NEWS-RELEASE-%EF%BC%8820161003-mammy%E5%BA%97%EF%BC%89.pdf こちらの薬局は ・育児中の時短勤務者のみで構成されている ・近所…

研修会に参加する既婚女性はかなり努力をしている

各所で行われる研修会。多くの人が参加しています。 薬剤師の6割は女性、薬局や医療機関に限って言えば7割近くになります。 平成26年薬剤師調査 結果の概要http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/14/dl/kekka_3.pdf 半分以上の薬剤師が、家事や育児介…

子供に特化した薬局

すべての薬局を地域の人のかかりつけ薬局にしたいという国の方針とは外れるのですが・・・ 子供に特化した施設を持った薬局があるといいと思います。 子供連れで安心して外出できる場所としての薬局。 子供連れだと、色々遠慮をします。子供が急にわがままを…

書評「Rp+ レシピプラス 乳幼児の発熱」

www.nanzando.com 南山堂の「Rp+(レシピプラス)」の2016年秋号は「乳幼児の発熱」 「発熱に使う薬」だけだったら、延々アセトアミノフェンについて書くしかなくなるので、 乳幼児が発熱する疾患についての解説や 薬の使い方 ホームケアのコツ についても書…

薬に対する興味関心の薄い人の事例報告

先日、私の家族が処方された薬を調剤してもらった時のことを報告します。 当人は基本的にものぐさです。 当然のごとく、お薬手帳は持っていってません。多分説明は受けたと思うのですが、その記憶は一切残っていません。ただし、ジェネリックにするかどうか…

相談する習慣をつける

普段からほんの些細なことでも相談してくる患者さんがいます。 他の患者さんがいて混んでいるとその人のことを少し鬱陶しいと思いつつも必要な対応はします。その方も色々相談していくうちに相談するのがうまくなってくる場合があります。 こういう方は、相…

処方箋を一度読んでから薬局へ

「お願いしていた(医師から説明があった)薬が出ていない」という理由で疑義照会になるケースがままあります。 この場合、患者さんの一工夫で解決することができます。 1)医療機関で処方箋を受け取ります。 2)その場で何の薬が処方されているか内容を確認…

ネットで管理できる時代になっても紙のお薬手帳は大きな効果を生み出す

2020年「医療情報の共有化」運用の方針 費用の抑制にも期待 news.livedoor.com という報道がなされて、「紙のお薬手帳は要らない、自分たちのしてきたことは何だったのか」と嘆く薬剤師も多いでしょう。 紙のお薬手帳が導入されたのが平成12年(2000年)。 1…

医療情報って本当に慎重に取り扱わなきゃいけないんだな、と思った記事

2020年「医療情報の共有化」運用の方針 費用の抑制にも期待 news.livedoor.com 森喜朗氏回復 がん新薬オプジーボ、60kg患者は年間3500万円 www.excite.co.jp 兵庫医大が血糖測定器紛失 104人分の情報記録 www.kobe-np.co.jp 今回は、2つの記事の組み合わ…

医師の言いなりになっているわけではないのです

医師の診察方針に不安や不満を感じている患者さんが来ることがあります。 いろいろ愚痴を聞いて、ガス抜きになる場合が多いです。患者さん本人も仕方ないとわかっていることが多いからです。これが建物の違う分業のメリットです。同じ建物の場合、患者さんが…

中小病院・薬局が提供できる薬剤師のキャリアパスって?

「新卒はすぐに大手に取られる」 と嘆いている中小病院・薬局の運営側の人間のが嘆き声が聞こえてきます。 それは、「ここの病院、薬局で働いていて、どんな自分になるのか」という視点で求人PRをしていないからです。 仕方ないんですけどね。 地域住民のた…

抗生物質耐性化を防ぐ薬の飲み方

WHO/Europe | Infographic – What you need to know about antibiotic resistance (Download) ①25年間新規抗菌薬はできない②抗菌薬とワクチンは寿命を20年延ばす③のど痛の9/10はウィルス性(抗菌薬無効)。不要な抗菌薬内服は有効性を低下させ、本当に必要な…